2007年10月28日日曜日

備前焼急須とお茶の味


写真の説明 左3つが4年ほど前、毎日使っていた備前焼急須です。
右が今年備前焼祭り07/10/20まで使っていたビール樽型の備前焼急須です。すべて一人用です。

備前焼急須に出会う前、お茶の味というものは、どんな急須で入れても煎茶の味は同じ。お茶のおいしさは茶葉が決めるもの。産地とつんだ時期で決まる。急須のデザインはシンプルがいい。一つのこだわりは、お湯を入れる内側は白色であったほうがよい、だけでした。白色にこだわったのはお茶の色が分かるからです。どの程度抽出が進んでいるのか色の濃淡を目安にしていた。薄緑色を観賞するため今も湯飲みの内側は白色にこだわっている。お茶の習慣ができて以来、急須は内側にへばりついたお茶っ葉を洗い易いを第一に考え急須を選んでいた。
数年前備前焼祭りに行った際右のビール樽型の急須が2000円ほどで安売りしていた。祭り2日目の夕方で内側に疵があり、水はもれないが売れ残ったのでこの値段です。いわば自分のポリシーに反するものを買ってしまった。ところが煎茶を入れると味に深みがありおいしいのです。
お茶の味に深みがあるとは?
小さい頃よく祖母が鉄なべで乾燥した茶葉を炒る音と香ばしい香りで目を覚ましたものです。実家の周囲には今もお茶の木があります。いつからかお茶の木を見つけると枝先の芽の部分を口に入れるクセがつきました。
もっと若く元気だった頃よく山女を探して渓流を訪ね歩いた。難所の高巻きなどで山の斜面など歩くとお茶の木を見つけたものです。茶の原産地は雲南省と決まっておりたとえ山で見つけても野生種ではありません。昔近くに山小屋や人家があり人が植えたものです。周囲をよく探せば建物はなくとも必ず柱の土台の石、お皿や茶碗の破片が見つかります。そこで一休憩。子供の頃のクセで芽の部分を口に入れかみしめます。新芽がどろどろになるまで噛んで味わいます。お礼に茶の木周辺の雑草を抜いたり、生育に邪魔なものを取り除いたりしました。根の周囲に落ち葉などをかけます。原産地雲南から遠く離れた日本で、枯れないでがんばれ茶の木。
ビール樽型の備前急須で入れると、湯茶が生の茶の木の新芽を噛んだ味に近い味になります。茶の木の新芽を噛んだような深みのあるお茶の味です。深みのある味の意味はそういう深みの味です。湯茶の色も備前平急須より少し濃くなります。当然4煎目ぐらいから備前平急須で入れたものより茶の色が薄くなります。この深みのある味が人様がどう感じるかわかりませんが、私は好きです。

2007年10月21日日曜日

備前焼急須との出会い

左のふたを開けたのが最初の備前焼急須です。

写真右が2007年10月20日購入分 手前が湯冷まし

なじみの茶葉販売店で、「備前焼の茶器に興味ありませんか」「私は口に入れた煎茶を楽しむほうで茶道具の雰囲気でお茶を飲みません。また陶器磁器などのよさを理解できません」その店の上段に飾っている備前の茶器を睨みながら、「買わされてたまるかい」言葉を飲み込みました。「ではこの備前の急須をお貸しします。返却は次回来店で結構です。ただし今夜まずいとおっしゃっている水道水をこの急須に入れて下さい。またガラスのコップにも水道水を入れて下さい。明日の朝、急須の水とコップの水を飲み比べて下さい。もし備前の水の方がおいしければ買って下さい」そんなばかげたと言いかけ「わかりました」と言ってしまった。
翌朝の急須の水は信じられないほど、まろやかでおいしかった。これならお茶屋の店主が言うように備前の急須で入れた煎茶はおいしくなろう。10月20日前後に開催される備前焼祭りに行くようになったのはこうしたきっかけでした。