京都の有名な中山砥石の社長に、包丁の検品チェックをして高品質な包丁を販売している包丁屋の紹介をお願いしたことがあります。和包丁の裏スキのムラや裏スキの特定の個所にエグレがなく均一な刃付けが出来ており、焼きが確かならば値段が高くても文句を言いませんと紹介をお願いした堺の包丁屋でした。その京都の有名な中山砥石の社長に紹介してもらった包丁店主に、林檎を薄刃にカエリを出さないで真っ二つに出来た時、相談しました。「自分が白紙1号本焼き薄刃を購入をしたのは薄刃の霞包丁で黄色い林檎オオリンを真っ二つに切った時、中心部を切った部分の包丁の刃に変形、返りが出たからです。霞包丁だから芯を切ると変形、返りがでるのであってより硬い白紙1号の本焼包丁なら変形、返りがでないと期待して買いました。しかし結果は霞の薄刃も白紙1号本焼薄刃でも同じく林檎の芯を切った刃先で変形、返りが発生しました。ただ変形カエリの度合いが白紙1号本焼薄刃のほうが小さかったが返りが出たのは同じでした。和包丁の薄刃では林檎を切ることを考えていなくて芯を切れば刃先が変形するのは止むを得ないと諦めていました。しかし購入後2年がたち霞の薄刃を砥ぎこむ(薄刃の幅が5mmほど狭くなるほど砥ぎこむ)と林檎の芯を切っても変形がなくなりました。そのころ白紙1号本焼薄刃でも強靭な刃が出て来たのかリンゴの芯を切っても返りがでなくなりました。リンゴの芯を返りが出ないように切るのが目的ですので、砥ぎやすい青2の霞包丁を選んで砥ぐのは怠け癖の強い自分には当然の帰結です。そんなわけで砥ぎにくい粟田口という名前の付いた白紙1号本焼薄刃包丁の価値が自分の中ではどんどん下がり使わなくて錆びつかせてしまうのではと心配していました。そこでプロの料理人、板前さんの砥ぎの先生でもある包丁店主に白紙1号本焼薄刃包丁の価値ある使い道について相談したのです。白紙1号本焼包丁薄刃のそれなりに価値ある使い道を聞いたのです。店主曰く、霞包丁で刺身を引くと擦りガラスのように曇った地金の部分が刃金の部分より摩擦が大きく包丁に刺身がくっつき易い。本焼き包丁なら全部ツルツルした刃金なのであまり引いた刺身が包丁にくっつかず気持ちよく刺身を引けるのでとても便利と教えられました。特にあなたは良く切れる薄い刃を付ける傾向にあり白紙1号本焼薄刃包丁で十分刺身包丁が務まりますよとのことでした。
これが購入後10年近く経つ粟田口とかいう白紙1号本焼薄刃包丁です。食中毒予防のため生わさびを用意しました。
昨日百貨店で見つけたスペイン産の本マグロ中トロです。和牛の霜降りになった霜のきめの細かさに引きつけられました。2割引きで2千円少し年末ならこれくらいの贅沢はいいだろうとのことです。でも本当は刺身は気持ち悪くそんなに好きではないのです。それゆえ夏でもないのにワサビたっぷりです。ブロックを刺身に引いてみました。包丁の黒檀の柄から中トロ身が切れる心地よい振動が伝わり気持よく思い通りの薄さに出来ました。勿論1回引き切りです。包丁店主の予想通りでした。
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