7月まで順調だった生まれて初めての収穫に成功したナスも8月に入り樹勢が弱り小さい実が落ちだした。そして悪夢のような過去の一夜花が復活してしまった。秋ナスも未経験なのにナス撤収を本気で覚悟しました。会社の半分農家の同僚に相談すると諦めるのはまだ早い。強めに剪定すると復活することが多いとのこと。強風で傾いたナスを起こし強めの剪定、初めての昆虫由来のバクテリアを混ぜた秘伝のボカシを投入したり秋ナスに望みをかけました。新しい取り組みによる目論みは成功してご覧の収穫がありました。大きいのでぬか漬けでなく炭火による焼きナス用です。
さて両親が家庭用に育てた子供時代のナスのウンチクについてお話します。郷里では初ナスは6月の中旬に取れます。ナスのぬか漬けが大好きだったので紫色のナスの花が咲くと毎日実の大きさをチェックしました。そうして初めての収穫から3週間の期間が一番おいしかった気がします。世間では秋ナスが最高とか言いますが、夏が終わり涼しくなると味が落ちると決めつけていました。子供のころから他人の風評やテレビなどの権威があるお方が秋ナスが美味しいと言っても自分の感覚や意見が世間の評判に影響されない頑固な子供のようでした。今年は初ナスから小さめに収穫したナスをぬか漬けにしていましたが、8月の一夜花になる休眠する前の最後に、大きな葉っぱの陰に一つのナスを見逃していたのです。上の写真の左のように丸いナスでこの倍ほどの大きさでした。すでに漬物にするには大きすぎ七輪の余熱で以前の投稿のように蒸し焼きにしました。スダチや醤油など何も付けないで食べましたが、驚いたことに野菜の味はしなかった。野菜の味でなく今まで食べたデザートの中で飛びきりの最高のデザートでした。これまでのデザートにたとえようもなく美味しかったのですが、敢えてたとえますと、贅沢な徳島産の希少な砂糖である和三盆を使った京都産の高級和菓子のようでした。ところがこの秋ナスは皮も硬くナスの匂いもあり甘みも梅雨末期に食べた焼きナスには到底及ばないのです。アクも強い気がします。やはり子供の頃の感覚は正しく秋ナスは木が大きい分、収穫量は多いのですが味は秋の深まりに比例してまずくなります。今年は和三盆を使った和菓子のような焼きナス再現は諦めました。また来年に期します。
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