そこで所有する全部の備前焼急須とビール樽型の備前焼急須の胴のたけくらべを実施しました。結果はほかのどの急須よりもビール樽型の備前焼急須の胴のほうが深いのです。ビール樽型の備前焼急須はわりとずんぐりしていて今まで深さに気づかなかったのです。そしてまだわからない事が出てきました。
深さが深みのある味の決め手なら何も備前焼急須でなくても縦長の胴を持つ急須ならもっと安い上薬のないばんこ焼きや常滑焼でも同じく深みのある味のお茶を入れられるのではないか。そこですぐにビール樽型の備前焼急須より深い胴を持つ常滑焼の急須を買い求めました。試飲の結果はお茶のアクのようなものが感じられてさらに深みのある、茶の木の新芽を噛んだような味に近いお茶を入れられたのでした。その深い胴を持つ常滑焼の急須は3000円と安く陶芸家が遊びで作ったひょうたん型をした急須でした。長くお店に並べられ安くしなければ売れないと決心した店主が値下げした急須でした。一応横手の取っ手もあり日本式の急須でした。しかし何ヵ月後に落として割ってしまった。滑りやすい常滑焼だったのと秘密が解明した以上大切にしなければという気持ちが薄かったのかもしれません。やはり同じ深さなら常滑より備前のほうがおいしいお茶が入れられもう一度常滑を買おうという気持ちにはなれません。
もう新茶の季節です。急須の胴が深い急須で試飲するのもいいかもしれません。ただあくまで個人的な嗜好の問題です。おいしいとはおいしいと感じた方が決めるものなのです。
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