2015年2月28日土曜日

舌癌 手術で取り切りか取り残し再手術の分かれ目

舌癌発見時、癌の大きさが私と1mm違いのPさんの切除直後の取り残しのチェック方法の描写を紹介します。執刀医のH先生が切除した舌を見ますかと一口ステーキ大の舌の一部を見せてもらったとあります。「袋に入ったどす黒いカタマリを見せてくれた。(ここがよくわかないのですが)がん細胞に反応すると黒くなる染料をかけているので、真っ黒に見えるらしい。」当たり前のことですが癌はもともと正常細胞がDNA転写時などに複製がうまくいかずほんの少し複製が失敗したものらしい。それゆえ平時存在する通常の免疫細胞、白血球やマクロファージなどは非自己と認識できず攻撃できない。正常細胞とほとんど違いがないからです。ウイルスに感染した正常細胞も同様らしい。舌癌細胞にだけに反応して黒く発色するとは免疫でも見分けることが難しいがんをこの染料はがんと正常の舌の細胞を区別して黒く変色したことになります。そんな染料が現在本当に発明されているのかと疑問に持ちました。Pさんのがんに特異的に反応するモノクローナル抗体と結合させた染料以外そんなことはできないのではないかと考えました。何かの間違いではないのか。実際、googleでがんに反応して黒く変色する染料と検索してもヒットしません。
しかし2011年11月24日に共同研究の結果としてスプレーするだけでがん細胞が蛍光色に発光する試薬を開発したとあります。2011年でも相当衝撃的な発見のようです。そんなわけで舌癌と反応して黒くなる染料があっても不思議ではないようです。
ではPさんの主治医H先生が術後直後がんの取り残しがあるかどうかをこの黒い染料にだけに頼った。そして実際見落としがあり、取り切れず再手術となったとしたらPさんが気の毒です。人間のすることですから取り残し再手術は仕方がないことですが、H先生に病理検査医と同じように顕微鏡で見てもらってそれでも切断面の小さい癌の見落としがあったというならあきらめもつくでしょうが、判断を楽な試薬に頼った結果が再手術とはやはり少し気の毒です。勿論H先生も手術室で顕微鏡を持ち込んで時間の許す限り目視でチェックしたかもしれませんがPさんのブログにはH先生が顕微鏡で見たとは書かれていません。
一方私の場合(C先生のチェック方法)は以下の記事に書いています。
C先生は術後「切断面に顕微鏡で癌はありませんでした。取り切りました。」と言ってくれました。
また3月6日の手術前2度ほど人差し指で痛かったのですが触診をしてくれました。2度目が舌の下から大きく突き上げるような触診でかなり痛かったのですが、私が身をよじったので手を私の口から抜いた後「非常に良い」とおっしゃいました。癌の何がいいのかと思った瞬間、よいとは手術の良い情報が取れたという意味だとの説明が追加されました。それほど手術がうまくいくように熱心にギリギリまで診察と情報収集をしてくれているんだという熱意が感じられたのは確かです。C先生もがんと反応すると黒く発色する染料を使ったかもしりませんが、私のその後の結果は病理検査でも切除断面に小さい癌もなく再手術もありませんでした。

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