2008年5月25日日曜日

和包丁のリサイクル

 包丁研ぎを覚えるまで錆びないステンレス製の包丁を切れなくなると捨てていました。ほとんど安物が多かったのですが確かに勿体なかった。現在は砥石のおかげで錆びも平気です。表の錆びはすぐに取れるからです。包丁の再利用、再生に万能の砥石ですが、和包丁には平面の砥石があたらない曲面があります。包丁の生命と言われる裏面です。下の図では右が和包丁の構造です。その右が表で左の窪んだ面が裏面です。
 今日気の置けない友人が来て関東型の青紙2号菜切り包丁の裏を見て汚いといわれました。ほっといてくれと口には出しませんでしたが彼の潔癖なきれい好きは知っています。汚いのでしょう。気持ち悪いのでしょう。普通の砥石では砥げないから仕様がないのですが。いつも使っている小さい内曇りが見つかりません。安物の大平の砥石がありましたのでこれで裏の汚れを取ろうとしました。大平砥石は粒子が粗いので中山砥石などに比べて切れ味はよくないのですが、研磨力があります。粗砥ぎに使っていました。
汚いのをお見せしてすみません。友人が汚いと言った愛用の包丁です。やっぱり汚い。
大平の砥石が包丁の幅と同じです。
かなり光ってきれいに清潔そうになりました。
あと細かいところは内曇りが見つかってからします。
包丁を砥いだり、砥石で磨いたりして包丁が磨り減るまで使うのは身近なリサイクルと改めて実感しました。

のっぽの一人用の備前焼急須を見つける(2007年10月備前焼祭りのテーマ)

写真の左端がビール樽型の急須です。右3つが2007年買い求めたより胴の深い急須です。
2007年10月備前焼祭りに行きました。あちこちの会場コーナーに首を突っ込むと「熔変がどうの」「ゴマがいい」といった焼き物の肌をウンチクする会話が飛び交っていました。焼き物がわからないさらえまかは変わった熔変のために何万円もつぎ込むことはとてもできません。でもその急須で自分好みのお茶が飲めると確認できるなら少し高くてもいといません。ターゲットは急須です。ビール樽型の急須より深い胴を持つ急須だけを探しました。全コーナーの急須に目を通したと思います。深い胴を持つ急須をテーマにして厳選したのが上の写真の急須達です。写真をクリックすれば大きくなります。
もう一つ条件があります。急須に関しては大は小を兼ねないのです。3人の来客がありお茶を入れる湯のみが3個あったとします。3人用の急須で一度に3人用の湯茶を注ぐより一人用の急須で3回に分けて温度を3回上げて注ぐほうがおいしいお茶になります。理由は存じません。自分の好みと経験がそう確信しています。あれば一人用の急須でのっぽの急須を探すのが目的でした。
右端の一番のっぽの急須ですが一見して2人用です。しかし高さに敬意を表して買いました。私の知る限り2007年10月備前焼祭りで一番胴が深い急須です。上から見た写真です。
上からはバランスはよいようです。注ぎ口のふくらみが湯きりが早そうです。
 横手のエンジンバルブか吸盤のような取っ手ですが最初見たときは握ると手が痛くなるのではと思いました。しかし高さの魅力には勝てず購入を決めました。何十分間も握るわけでもなく返って握りやすいです。何より握っている限り、手のひらを開かない限り絶対に急須を落とさないという安心感があります。安心して最後の一滴を振り出せます。
肝心のお茶の味ですが、一番深みのあるお茶が入れられます。一煎目の2分間と二煎目でお茶のエグミやアクのようなものが取れ三煎目以降は甘みはなくなりますがさっぱりした香りが楽しめます。

2008年5月18日日曜日

魚のコラーゲンのリサイクル 主客転倒!驚異のごぼうパワー

魚のコラーゲンのリサイクル活用編≪魚のコラーゲンのリサイクル活用編 (匂わない臭くない煮魚料理)≫の結果です。真鯛よりメバルの方がおいしかった。値札どおりでした。なんと!たまげたことに一番おいしかったのは新ごぼうでした。匂い消しとアク取りの脇役のつもりの新ごぼうですが一番おいしかったとは信じられない。食感はモチモチととても軟らかく魚の旨みと魚のコラーゲンをすべて吸いきった味でした。メバルや真鯛はごぼうと比べると出し殻のようでした。そこで今回は鍋ごと凍らせておいた煮付けの残り汁でごぼうを煮付けました。
下ごしらえです 包丁を立ててごぼうの表皮を削ぎます 時間を置いても黄色くならなくなるまでします ある程度空気に触れて変色しなくなりますとスライス後水につけてもアクが少なくなります。








前回は新ごぼう2本でしたが4本に増やしました。細いほうがおいしいのですが量の誘惑に負けて太目を2本にしました。皮をむいたごぼうです。





















芯の巣を見ました。赤枠で囲んだスカスカの部分です。一ヶ所だけありました。砥石のスイタの巣のようなものです。



















念のため穀物酢を加えた沸騰水で湯通しをしました。






























盛り付けが下手ですみません。 魚のにおいがしません。おいしいです。魚をダシがらに変えてしまった脇役がコラーゲンを吸いきって主役になりました。牛蒡で魚の骨の髄までしゃぶることができます。これほどの旨みを昨年まで煮付ごとに捨てていたのを後悔しきりです。ところで大阪、福岡の高級料亭がこの使い回しをしていたとすると大いに物議を醸しそうですが個人での使いまわしはモーマンタイ(無問題)です。


2008年5月16日金曜日

魚のコラーゲンのリサイクル活用編 (匂わない臭くない煮魚料理)

好きだからといって毎日のようになべで魚を煮ますと魚の生臭さと醤油の臭いがやがて台所にしみつき取れなくなります。防ぐには調理中に換気扇を回すのが大切な方法です。それと料理方法を工夫すればほとんど匂わなくなりさらに、おいしく仕上げる方法をご紹介します。材料の工夫で換気扇のプロペラを洗う時にも魚くささを感じなくてすむことができます。
材料をそろえます。安物の穀物酢とコラーゲンの多い目玉、軟骨が多い頭付の魚です。以下は臭いを取るための材料です。飲んでおいしい本みりん、日本酒、新ごぼうです。それと前回冷凍した煮凝り(にこごり)です。健康によい魚の脂肪とコラーゲンが混じったのが表面に白くなっております
本みりんですが、思うに飲んでおいしくないみりんは料理に使ってもおいしくないのではと信じます。いろいろ飲み比べて醤油メーカの本みりんが残りました。
大なべに満杯に水を満たし沸騰させます。安物の穀物酢をドバドバと入れます。量はご自由に。再沸騰後魚の切れ身を入れます。切れ身投入後2秒後パンチザルにぶちまけます。同時に入れるのがいいですが、一切れづつ入れるなら臭みとアクの多い頭部を先に入れます。料理に水を使うのはここまでです






湯通ししたお魚と牛蒡を鍋に入れます。その後日本酒が魚全体にふりかけるように注ぎ、底に5mmほど浸します。甘みをつけるためみりんもどっさり入れます。ここでお水を加えれば煮魚が駄目になります。前回凍らせた白身魚のにこごり(煮凝り)を用意します。







かつてはスプーンでにこごりだけをえぐり取ってましたがきれいに取れません。旅人のコートを脱がせるには力任せの北風より暖かい陽光のほうがよいとイソップも言っております。力任せのスプーンよりも暖かい蒸気の熱を借りれば小鉢とにこごりが自然に分離します。そこで凍らせた白身魚のにこごりの小鉢をひっくり返して鍋に入れます。このように浅い鍋で裏返した小鉢の底がフタからはみ出しても心配御無用。鍋のフタを乗せられたら乗せてください。このまま火にかけます。しばらくすると熱い蒸気で、次の写真のようにきれいに凍らせた白身魚のにこごりと小鉢が分離します。



黒いのは香港の亀ゼリーではありません。皮、頭部の軟骨、ヒレ、骨からのコラーゲンと魚の旨みのエキスです。後は醤油で味付けすれば完成です。ごぼうがアクを吸い取ってくれ、匂いも消してくれます。本当に匂いませんですからお試しください。









2008年5月6日火曜日

日本を代表する優れた文章とはどのような文章でしょうか


もしも最高傑作と言われる文章の宝庫はどこかと聞かれたらどう答えるでしょうか。私は社会にでた時から今も変わらない正しいと思う解答を持っております。義務教育の国語の教科書に載っている文章だと答えます。
理由は参考書と違って大勢の正真正銘の大学の先生が厳選した文章だからです。法律により日本人が強制的に読まされる国文だからです。文学、論説、紀行全てのジャンルで日本人が模範とすべき文章であると多くの学者から判定されたからです。
一度優れたよい文章について会社の宴会で話したことがあります。義務教育の国語の教科書と申し上げるとそんなことはないと言われました。理由は小学校や中学校のレベルは全員卒業しているだからそうです。彼らの言い分は、義務教育の国語の教科書の文章は中学生レベルの程度の文章だそうです。ここで話題を変えました。
概して他人のアイデアや発案に対して批判批評が多い人はご自分で新しいアイデアを生み出せない、独創力が乏しいのを隠すために鋭い批判をなさると考えております。批判は他人のアイデアの消費に当たり生産ではありません。まず批判の対象がありきで初めて批判が成立するからです。批判の対象こそアイデアの生産のもとに当たります。
もう一度考えてみますと国語の教科書の文章は中学生レベルの程度と断じた方は、読んで理解する批評の視点からそう言ったのでしょう。私は当然そうした文章が書けるかどうか、また書いた文章が教科書に掲載されるかを生み出す視点から問題にしていたのですが。文章の作者が何を訴えているかを考えるのが学校です。彼に言いたかったのは、自分が何かを訴える場合、どう書けばよいかです。書き手の立場から言いたかったのですがうまく伝わらなかったようです。確かに彼は批判批評の多い人でした。
以下は笑い話です
文章がなっていないという評価の私ですが、一度だけほめられたことがあります。総務にいた頃です。コスト削減でとっくに廃刊になりましたが、当時社内誌を発行していました。社内誌発行は総務の仕事の一つでした。翌年定年退職予定のの課長から「社内誌原稿記事を書いてくれる人がいない。みんな嫌がるので君担当してくれないか。何かの評論、生い立ち、旅行に行った、趣味 何でもいいよ。ただ原稿用紙5枚という制約だけだよ。総務の仕事なので勤務中に書いてもいいよ」「条件があります。仕事の文章と違いますから誤字脱字以外一語一句たりとも訂正しないでください。ありのままを掲載して下さい」最初は恥ずかしいので断りましたが、この条件で書くことになりました

魚のコラーゲンの入ったタケノコ料理

京都産の筍を買いました。私の郷里では筍を魚の煮汁で煮ます。室内が魚臭くなると困りますので白身魚の煮汁は少しにして、残りの魚の煮汁は冷凍室に入れました。お酒と本みりんを入れ魚臭さを消しました。中国料理の煮物には竹の子がよく入っています。どんな料理にも合うのかもしれません。
京都産の竹の子です。大きいが高かった。 鮮度が落ちないうちにとすぐに切ります。
二つ割です。
鮮度が良いのか手ですぐに皮がむけました。タケノコの皮も刻みました。堆肥にするつもりです。
根の方を味見しました。えぐみがなくさすが京都産です
一口サイズにきりました。
米ぬかで煮て安心です。もう硬くなることはありません

凍らせておいた魚のコラーゲンたっぷりの煮汁を用意します。網でこして魚のコラーゲンたっぷりの煮汁だけをリサイクルします

竹の子の煮つけができました。煮汁のしつこさとあっさり味の筍がよく合います。

魚のコラーゲンのリサイクル

白身魚の煮汁はイタリア料理では魚のブイヨンと呼ばれているらしい。以前は捨てていました。下水のチッソを増やし赤潮などの発生に貢献していました。いつのころからか冷凍庫に蓄えるようにしました。サバ、アジ、イワシなどの青み魚の煮物は匂いがきついので買います。
左と上のの黒っぽいのは黒メバル2匹分です。3月に食べた残りを大きな冷蔵庫で保存しておりました。右の魚は今日煮付けた今が旬のイサギです。


食べた残りのアラをザルで濾します。後の洗いやすさを考えるとパンチザルのほうがたわしを使いやすいです。









これで煮汁とアラの分離完成です。





小鉢に移して冷蔵庫へ














最近魚への味覚が変わり煮魚、焼き魚で一番おいしいのは皮ではないかと思います。コラーゲンが一番多いのも魚皮で次はうろこ、骨だそうです。栄養のあるものがおいしく感じるのは野生動物だそうです。
このお酒、本みりん、ねぎ魚のコラーゲンを含んだブイヨンは次回の煮魚を濃厚な風味に仕上げます。
今回はその魚のコラーゲンたっぷりの煮汁の一部をたけのこ料理に使います。