2008年5月31日土曜日

魚のコラーゲンのリサイクル活用編 アクの強い山フキを煮しめる(蕗煮)

白身魚の煮凝り(にこごり)はタケノコとごぼうで相性がよかった。共通点は山でも育つほど生命力が強くアクが強いということです。山菜の一つフキも味こそ異なりますが、タケノコとごぼうに同じく山とアクで共通点があります。二匹目のドジョウならぬ三匹目のドジョウを狙います。野菜のアクとコラーゲンたっぷりの煮凝り(にこごり)の相性が本物か試します。フキの料理は初めてです。 山蕗煮はスーパーで佃煮のようにして売られていますが、化学調味料が入っているので買ったことがありません。

1材料です
山蕗、ごぼう、メバルの煮凝り、穀物酢、本みりん、日本酒です。アクが強すぎ失敗するかもしれませんのでごぼうを入れました。


2山蕗を他のブログのように塩もみしました。
3穀物酢を入れた沸騰水で湯通ししました。その後冷水に入れました
4皮むきしました(2の塩もみの前にすべきでした)
湯通しの前にすればもっと早くできたと思います。
5コラーゲンたっぷりの煮凝りで煮つめて完成です。
煮凝りの前に2mmほどお酒とみりんを入れ揮発するアルコールで山蕗とごぼうを蒸らしました。山蕗の匂いを消したかったからです。
白身魚の煮凝りでタケノコ、ごぼう、山蕗を煮付けましたが今までで最高の野菜の煮物でした。食べきれないので蕗の煮付けは冷凍保存します。同じ白身魚のガシラもいいかもしれません。ガシラはメバルより頭やヒレが大きくコラーゲンはもっと多いかも知れません。もう少し醤油を多くして山椒の実でも入れれば佃煮に近くなります。郷里のフキは本当の山で取りましたのでもっと細かったようです。
それにしてもメバルは高い。閉店前の半額を狙います。

2008年5月25日日曜日

和包丁のリサイクル

 包丁研ぎを覚えるまで錆びないステンレス製の包丁を切れなくなると捨てていました。ほとんど安物が多かったのですが確かに勿体なかった。現在は砥石のおかげで錆びも平気です。表の錆びはすぐに取れるからです。包丁の再利用、再生に万能の砥石ですが、和包丁には平面の砥石があたらない曲面があります。包丁の生命と言われる裏面です。下の図では右が和包丁の構造です。その右が表で左の窪んだ面が裏面です。
 今日気の置けない友人が来て関東型の青紙2号菜切り包丁の裏を見て汚いといわれました。ほっといてくれと口には出しませんでしたが彼の潔癖なきれい好きは知っています。汚いのでしょう。気持ち悪いのでしょう。普通の砥石では砥げないから仕様がないのですが。いつも使っている小さい内曇りが見つかりません。安物の大平の砥石がありましたのでこれで裏の汚れを取ろうとしました。大平砥石は粒子が粗いので中山砥石などに比べて切れ味はよくないのですが、研磨力があります。粗砥ぎに使っていました。
汚いのをお見せしてすみません。友人が汚いと言った愛用の包丁です。やっぱり汚い。
大平の砥石が包丁の幅と同じです。
かなり光ってきれいに清潔そうになりました。
あと細かいところは内曇りが見つかってからします。
包丁を砥いだり、砥石で磨いたりして包丁が磨り減るまで使うのは身近なリサイクルと改めて実感しました。

のっぽの一人用の備前焼急須を見つける(2007年10月備前焼祭りのテーマ)

写真の左端がビール樽型の急須です。右3つが2007年買い求めたより胴の深い急須です。
2007年10月備前焼祭りに行きました。あちこちの会場コーナーに首を突っ込むと「熔変がどうの」「ゴマがいい」といった焼き物の肌をウンチクする会話が飛び交っていました。焼き物がわからないさらえまかは変わった熔変のために何万円もつぎ込むことはとてもできません。でもその急須で自分好みのお茶が飲めると確認できるなら少し高くてもいといません。ターゲットは急須です。ビール樽型の急須より深い胴を持つ急須だけを探しました。全コーナーの急須に目を通したと思います。深い胴を持つ急須をテーマにして厳選したのが上の写真の急須達です。写真をクリックすれば大きくなります。
もう一つ条件があります。急須に関しては大は小を兼ねないのです。3人の来客がありお茶を入れる湯のみが3個あったとします。3人用の急須で一度に3人用の湯茶を注ぐより一人用の急須で3回に分けて温度を3回上げて注ぐほうがおいしいお茶になります。理由は存じません。自分の好みと経験がそう確信しています。あれば一人用の急須でのっぽの急須を探すのが目的でした。
右端の一番のっぽの急須ですが一見して2人用です。しかし高さに敬意を表して買いました。私の知る限り2007年10月備前焼祭りで一番胴が深い急須です。上から見た写真です。
上からはバランスはよいようです。注ぎ口のふくらみが湯きりが早そうです。
 横手のエンジンバルブか吸盤のような取っ手ですが最初見たときは握ると手が痛くなるのではと思いました。しかし高さの魅力には勝てず購入を決めました。何十分間も握るわけでもなく返って握りやすいです。何より握っている限り、手のひらを開かない限り絶対に急須を落とさないという安心感があります。安心して最後の一滴を振り出せます。
肝心のお茶の味ですが、一番深みのあるお茶が入れられます。一煎目の2分間と二煎目でお茶のエグミやアクのようなものが取れ三煎目以降は甘みはなくなりますがさっぱりした香りが楽しめます。

2008年5月18日日曜日

魚のコラーゲンのリサイクル 主客転倒!驚異のごぼうパワー

魚のコラーゲンのリサイクル活用編≪魚のコラーゲンのリサイクル活用編 (匂わない臭くない煮魚料理)≫の結果です。真鯛よりメバルの方がおいしかった。値札どおりでした。なんと!たまげたことに一番おいしかったのは新ごぼうでした。匂い消しとアク取りの脇役のつもりの新ごぼうですが一番おいしかったとは信じられない。食感はモチモチととても軟らかく魚の旨みと魚のコラーゲンをすべて吸いきった味でした。メバルや真鯛はごぼうと比べると出し殻のようでした。そこで今回は鍋ごと凍らせておいた煮付けの残り汁でごぼうを煮付けました。
下ごしらえです 包丁を立ててごぼうの表皮を削ぎます 時間を置いても黄色くならなくなるまでします ある程度空気に触れて変色しなくなりますとスライス後水につけてもアクが少なくなります。








前回は新ごぼう2本でしたが4本に増やしました。細いほうがおいしいのですが量の誘惑に負けて太目を2本にしました。皮をむいたごぼうです。





















芯の巣を見ました。赤枠で囲んだスカスカの部分です。一ヶ所だけありました。砥石のスイタの巣のようなものです。



















念のため穀物酢を加えた沸騰水で湯通しをしました。






























盛り付けが下手ですみません。 魚のにおいがしません。おいしいです。魚をダシがらに変えてしまった脇役がコラーゲンを吸いきって主役になりました。牛蒡で魚の骨の髄までしゃぶることができます。これほどの旨みを昨年まで煮付ごとに捨てていたのを後悔しきりです。ところで大阪、福岡の高級料亭がこの使い回しをしていたとすると大いに物議を醸しそうですが個人での使いまわしはモーマンタイ(無問題)です。


2008年5月16日金曜日

魚のコラーゲンのリサイクル活用編 (匂わない臭くない煮魚料理)

好きだからといって毎日のようになべで魚を煮ますと魚の生臭さと醤油の臭いがやがて台所にしみつき取れなくなります。防ぐには調理中に換気扇を回すのが大切な方法です。それと料理方法を工夫すればほとんど匂わなくなりさらに、おいしく仕上げる方法をご紹介します。材料の工夫で換気扇のプロペラを洗う時にも魚くささを感じなくてすむことができます。
材料をそろえます。安物の穀物酢とコラーゲンの多い目玉、軟骨が多い頭付の魚です。以下は臭いを取るための材料です。飲んでおいしい本みりん、日本酒、新ごぼうです。それと前回冷凍した煮凝り(にこごり)です。健康によい魚の脂肪とコラーゲンが混じったのが表面に白くなっております
本みりんですが、思うに飲んでおいしくないみりんは料理に使ってもおいしくないのではと信じます。いろいろ飲み比べて醤油メーカの本みりんが残りました。
大なべに満杯に水を満たし沸騰させます。安物の穀物酢をドバドバと入れます。量はご自由に。再沸騰後魚の切れ身を入れます。切れ身投入後2秒後パンチザルにぶちまけます。同時に入れるのがいいですが、一切れづつ入れるなら臭みとアクの多い頭部を先に入れます。料理に水を使うのはここまでです






湯通ししたお魚と牛蒡を鍋に入れます。その後日本酒が魚全体にふりかけるように注ぎ、底に5mmほど浸します。甘みをつけるためみりんもどっさり入れます。ここでお水を加えれば煮魚が駄目になります。前回凍らせた白身魚のにこごり(煮凝り)を用意します。







かつてはスプーンでにこごりだけをえぐり取ってましたがきれいに取れません。旅人のコートを脱がせるには力任せの北風より暖かい陽光のほうがよいとイソップも言っております。力任せのスプーンよりも暖かい蒸気の熱を借りれば小鉢とにこごりが自然に分離します。そこで凍らせた白身魚のにこごりの小鉢をひっくり返して鍋に入れます。このように浅い鍋で裏返した小鉢の底がフタからはみ出しても心配御無用。鍋のフタを乗せられたら乗せてください。このまま火にかけます。しばらくすると熱い蒸気で、次の写真のようにきれいに凍らせた白身魚のにこごりと小鉢が分離します。



黒いのは香港の亀ゼリーではありません。皮、頭部の軟骨、ヒレ、骨からのコラーゲンと魚の旨みのエキスです。後は醤油で味付けすれば完成です。ごぼうがアクを吸い取ってくれ、匂いも消してくれます。本当に匂いませんですからお試しください。









2008年5月6日火曜日

日本を代表する優れた文章とはどのような文章でしょうか


もしも最高傑作と言われる文章の宝庫はどこかと聞かれたらどう答えるでしょうか。私は社会にでた時から今も変わらない正しいと思う解答を持っております。義務教育の国語の教科書に載っている文章だと答えます。
理由は参考書と違って大勢の正真正銘の大学の先生が厳選した文章だからです。法律により日本人が強制的に読まされる国文だからです。文学、論説、紀行全てのジャンルで日本人が模範とすべき文章であると多くの学者から判定されたからです。
一度優れたよい文章について会社の宴会で話したことがあります。義務教育の国語の教科書と申し上げるとそんなことはないと言われました。理由は小学校や中学校のレベルは全員卒業しているだからそうです。彼らの言い分は、義務教育の国語の教科書の文章は中学生レベルの程度の文章だそうです。ここで話題を変えました。
概して他人のアイデアや発案に対して批判批評が多い人はご自分で新しいアイデアを生み出せない、独創力が乏しいのを隠すために鋭い批判をなさると考えております。批判は他人のアイデアの消費に当たり生産ではありません。まず批判の対象がありきで初めて批判が成立するからです。批判の対象こそアイデアの生産のもとに当たります。
もう一度考えてみますと国語の教科書の文章は中学生レベルの程度と断じた方は、読んで理解する批評の視点からそう言ったのでしょう。私は当然そうした文章が書けるかどうか、また書いた文章が教科書に掲載されるかを生み出す視点から問題にしていたのですが。文章の作者が何を訴えているかを考えるのが学校です。彼に言いたかったのは、自分が何かを訴える場合、どう書けばよいかです。書き手の立場から言いたかったのですがうまく伝わらなかったようです。確かに彼は批判批評の多い人でした。
以下は笑い話です
文章がなっていないという評価の私ですが、一度だけほめられたことがあります。総務にいた頃です。コスト削減でとっくに廃刊になりましたが、当時社内誌を発行していました。社内誌発行は総務の仕事の一つでした。翌年定年退職予定のの課長から「社内誌原稿記事を書いてくれる人がいない。みんな嫌がるので君担当してくれないか。何かの評論、生い立ち、旅行に行った、趣味 何でもいいよ。ただ原稿用紙5枚という制約だけだよ。総務の仕事なので勤務中に書いてもいいよ」「条件があります。仕事の文章と違いますから誤字脱字以外一語一句たりとも訂正しないでください。ありのままを掲載して下さい」最初は恥ずかしいので断りましたが、この条件で書くことになりました

魚のコラーゲンの入ったタケノコ料理

京都産の筍を買いました。私の郷里では筍を魚の煮汁で煮ます。室内が魚臭くなると困りますので白身魚の煮汁は少しにして、残りの魚の煮汁は冷凍室に入れました。お酒と本みりんを入れ魚臭さを消しました。中国料理の煮物には竹の子がよく入っています。どんな料理にも合うのかもしれません。
京都産の竹の子です。大きいが高かった。 鮮度が落ちないうちにとすぐに切ります。
二つ割です。
鮮度が良いのか手ですぐに皮がむけました。タケノコの皮も刻みました。堆肥にするつもりです。
根の方を味見しました。えぐみがなくさすが京都産です
一口サイズにきりました。
米ぬかで煮て安心です。もう硬くなることはありません

凍らせておいた魚のコラーゲンたっぷりの煮汁を用意します。網でこして魚のコラーゲンたっぷりの煮汁だけをリサイクルします

竹の子の煮つけができました。煮汁のしつこさとあっさり味の筍がよく合います。

魚のコラーゲンのリサイクル

白身魚の煮汁はイタリア料理では魚のブイヨンと呼ばれているらしい。以前は捨てていました。下水のチッソを増やし赤潮などの発生に貢献していました。いつのころからか冷凍庫に蓄えるようにしました。サバ、アジ、イワシなどの青み魚の煮物は匂いがきついので買います。
左と上のの黒っぽいのは黒メバル2匹分です。3月に食べた残りを大きな冷蔵庫で保存しておりました。右の魚は今日煮付けた今が旬のイサギです。


食べた残りのアラをザルで濾します。後の洗いやすさを考えるとパンチザルのほうがたわしを使いやすいです。









これで煮汁とアラの分離完成です。





小鉢に移して冷蔵庫へ














最近魚への味覚が変わり煮魚、焼き魚で一番おいしいのは皮ではないかと思います。コラーゲンが一番多いのも魚皮で次はうろこ、骨だそうです。栄養のあるものがおいしく感じるのは野生動物だそうです。
このお酒、本みりん、ねぎ魚のコラーゲンを含んだブイヨンは次回の煮魚を濃厚な風味に仕上げます。
今回はその魚のコラーゲンたっぷりの煮汁の一部をたけのこ料理に使います。

2008年5月5日月曜日

叫びたい気分です 申し訳ないので読まないで下さい

会社では入社以来、文章が下手、なっていないと言われ続けた。上司に提出して全面書き直しばかりだった。文章の基本ができていない。何を書いているのかわからない。よその課に何をお願いしたいのかまったく伝わらない。この文章を読んだ人の身になってみろ。ひとりよがりもはなはだしい。余計なことを書きすぎ。こんなものでした。自分でも業務用文章はだめなんだ。普通の文章も他人にはわかりにくいんだ。国語の点数もよくなかった。少しましな評価では何度も読めばよくわかるでも一度でわかるように書かないと使えない。
ネットでもお茶関係や料理の宣伝で深みのある味の表現がよく見られます。深みのあるお茶はさらえまかのテーマのひとつです。他と違っているのは深みのあるお茶が「茶の木の新芽を噛んだような味」とどういう味なのか具体的に説明している点です。余計なことを書きすぎ、文章がくどいと言う上司は「茶の木の新芽を噛んだような味は噛んだ人にしかわからない。削りなさい。不要だ」給料のために、はいはいと削ると今度は「深みのあるお茶の表現があいまいでこれも削除したほうがよい」と笑い話のような批判批評が続いていくのが目に見えます。
このブログのテーマを「おいしい物を食べたい」だけにするつもりでした。他の方のHPやブログで「おいしい物を食べたい」がどのように使われているかグーグルで検索すると、40万件前後がヒットしました。備前焼急須は備前焼の中の具体的なジャンルの一つです。対しておいしい物を食べたいは抽象的で食品関連の様々な分野で多用される人間の要望の一つです。ヒット件数が多いのもむべなるかな。その圧倒的な数に自分のブログが埋もれてしまい誰からも顧みれない。読んでくれない浮上できないのではないかと不安でした。ブログの編集、ファイルのアップロードはグーグルでさらえまかを検索していました。
昨年までグーグルで「おいしい物を食べたい」を検索しても何ページもめくらないと自分のプログにたどり着けませんでした。2008年3月から投稿を再開して備前焼急須が先頭になったのに気をよくしてグーグルで「おいしい物を食べたい」を検索再度してみると、1ページ目に出てきたのです。3月4月はグーグルで6位か7位を行き来していました。4月の末に9位に下がりいよいよ1ページから脱落してしまうのか。頑張らなくてはと投稿のネタを積極的に考えだしました。
忘れもしない08_05_01 木曜日 ネットカフェで検索すると1ページの下になかったので2ページ3ページとページを移動させても見つけられなかった。第一ページの先頭で「さらえまか おいしい物を食べたい」を見つけた時、夢ではないかと目をしばつかせました。本当にありがとうございました。会社では否定される文章もグーグルの中では読んでくださる方もいらっしゃるんだ。内容がわかる方もおられるんだ。少しは文章コンプレックスが薄らぎました。
グーグルで上位に表示されることで自分の文章が多くの方に読んでいただける機会が増えたのは確かです。

2008年5月4日日曜日

深みのあるお茶は深みのある急須で作られる

急須を使った後は中の残った茶葉を水でゆすいで水切れのためにふたの方を下にして南向きの窓に置きます。ある日ビール樽型の急須と以前の急須が並べておかれていました。座った目線で下から見ると胴の深さに気づきました。ビール樽型の急須が胴が深いのに初めて気がついたのです。急須の深さ、深さとくり返し、川で潜った少年時代、深く潜ると水中メガネのゴム枠が顔を強く圧しつけるを思い出しました。前にも書きましたが、お茶は急須の胴の一番底に位置するのです。そうか深さは水圧を意味する。お茶の場合は湯圧だな。高い圧力は茶葉の抽出成分を少し変えてなおより味が濃くなる。つまり自分が感じていた深みのあるお茶となったのかもしれない。何メートルも潜れば水圧を意識するかもしれないが、たった1cm程度で抽出する湯茶がこうも変わるのかという疑問が残りました。
そこで所有する全部の備前焼急須とビール樽型の備前焼急須の胴のたけくらべを実施しました。結果はほかのどの急須よりもビール樽型の備前焼急須の胴のほうが深いのです。ビール樽型の備前焼急須はわりとずんぐりしていて今まで深さに気づかなかったのです。そしてまだわからない事が出てきました。

 深さが深みのある味の決め手なら何も備前焼急須でなくても縦長の胴を持つ急須ならもっと安い上薬のないばんこ焼きや常滑焼でも同じく深みのある味のお茶を入れられるのではないか。そこですぐにビール樽型の備前焼急須より深い胴を持つ常滑焼の急須を買い求めました。試飲の結果はお茶のアクのようなものが感じられてさらに深みのある、茶の木の新芽を噛んだような味に近いお茶を入れられたのでした。その深い胴を持つ常滑焼の急須は3000円と安く陶芸家が遊びで作ったひょうたん型をした急須でした。長くお店に並べられ安くしなければ売れないと決心した店主が値下げした急須でした。一応横手の取っ手もあり日本式の急須でした。しかし何ヵ月後に落として割ってしまった。滑りやすい常滑焼だったのと秘密が解明した以上大切にしなければという気持ちが薄かったのかもしれません。やはり同じ深さなら常滑より備前のほうがおいしいお茶が入れられもう一度常滑を買おうという気持ちにはなれません。
もう新茶の季節です。急須の胴が深い急須で試飲するのもいいかもしれません。ただあくまで個人的な嗜好の問題です。おいしいとはおいしいと感じた方が決めるものなのです。

ビール樽型の備前焼急須が深みのあるお茶を作る秘密3


急須の中で茶葉がどうなっているかお見せします。透明なガラスのコップに茶葉を入れました。まだ成熟していない走りの新茶です。包装の表示では静岡産とか。この時期もっと暖かい地方産ならわかりますが、中部日本の静岡産とはなんか怪しい。静岡茶は甘味を抑え込むように渋みが強く大人の味なのです。個性的な静岡茶とかけ離れた味、くせがなく香りも薄かったので余計あやしく感じます。ここで大切なのは昨年茶木が蓄えた栄養で発芽した一番質が軽いと思われる茶葉ということです。コップの上部水面に浮いている茶葉の屑のようなのも時間がたてば全て底に沈みます。

 新茶でさえも水、お湯より重いのです。そもそも中国茶の一つ鉄観音の鉄は鉄のように重いという意味だそうです。重い中国茶を船まで運んだ苦力(クーリー)達は錆びた鉄釘を袋に入れて運んだ気になったのでしょう。それほどお茶とは栄養が詰まって重いのでしょう。微生物に食べさせていない不発酵茶日本茶は半発酵茶中国茶よりももっと重いはずです。
 この写真の意味は茶葉は急須の底に位置して抽出されるという事実です。私は一煎目は風呂の温度40度程度で約2分以上急須で蒸らします。二煎目は10度ほど温度をあげます。三煎目は20度ほど温度をあげます。四煎目、五煎目は100度で入れます。二煎目以降は時間を置かずすぐに湯飲みに注ぎます。茶葉は最初の2分間急須の中で一番大きい圧力を受けるのです。