2007年7月12日木曜日

天然砥石との出会い

○○の砥石店で見かけた皮付きの深緑の砥石

価格は1万円でしたが、表面に数箇所赤いゴミがあり
裏がでこぼこ(砥石の皮)で
砥石台に乗せれるようにするまで半日かかりました。
研ぎ面の数箇所のゴミはカッターナイフでえぐりとりました。
○○の砥石店主のお話ではよいものらしいのですが
裏が凸凹で悪いのと赤いゴミで売れなくて価格を下げたそうです。
産地(山)はわからないとのことでした。

それまで仕上げはキングの8000番を使っていました。
研ぎ方は表を完全な平面にしていました。
砥石にくっついて離れなくなるまで、仕上げます。
キングの8000番はサクサクと黒い研ぎ汁が出ます。
研ぎ味が大変いいのです。

それに砥石にくっついて離れなくなると本焼きなら
完全なゆがみのない鏡面になります。
砥面にくっつく前のフアフア感が好きでした。

今では1万円の緑色の砥石は高雄山と確信しています。
確かにもう一つのネットで2万円で購入した高雄山の
ものよりきめが細かいのです。
確かにいいものです。あの砥石屋は嘘を言わなかった。

ゴムの砥石台にセットして刃渡り20cmの柳包丁をこすりました。
30回ほど往復したでしょうか、カスミの刃金の部分を見ましたが、
がっかりしました。

高雄山に当てる前は鏡面だったのにすりガラスのように曇っています。
安物買いの銭失いとはこのことよと自嘲と後悔でした。

スーパーの閉店直前に半値に下がった黒マグロの切り身がありました。
魚の中では一番柔らかい(薄く切りにくい)身と思います。
それで試し切りをすると、これまでどんなに頑張っても
厚さ5ミリまでしか出来ませんでしたが、2ミリ3ミリまで切れるのです。
本当に驚きました。
薄く切りたいのは、本当は刺身が嫌いなのです。
薄くして生姜醤油をたっぷりかけます
最近健康のためと考え食べるようにしています。
そこで刃先のチェックをしました。

キング8000で仕上げ人差し指で刃先を裏面から押さえますと、
ゴムを押さえたように、刃先がグニャリと曲がります。
反射光の加減でそう見えます。
おまけに未練たらしく銀紙のように薄くなったピラピラが
刃先に付いています。
(自分ひとりの包丁なので、糸引き刃の処理はしていません)

擦りガラスの刃金にはピラピラは全くありませんでした。
完全にそぎ落とされているようです。
30回ほど研いで以前より刃先が薄くなっているはずなのに
同じ力で押しても曲がらないのです。しゃんとしていました。
刃先が硬くなりその分上手く力が切り身に伝わり薄く切れたんだと
考えました。天然砥石にはまったのはそれからでした。

人造は研ぎ味、研磨力、刃の艶何れも天然に勝っています。
私は天然砥石の擦りガラスのように濁った光具合が
深みのある輝きとは思えません。
ただ肝心の切れ味が断然劣ります。

0 件のコメント: