砥石が当たりますとは懸賞ではありません。当たるとは違和感です。ゲレンデスキーで雪面がブッシュなどでごく小さく茶色になっている部分があります。スキーがそこを通過するときに感じる違和感といえばお分かりでしょうか。以前かんな(当然平面研ぎ)を研いだときなんかおかしいと感じたのですがあれから半年経って大きくなりさらに悪化していました。新しく買ったぺティナイフ感覚の薄刃を仕上げに当てるとジィージッと地を引きます。ジィージッは刃先を抑える左手に伝わる感覚は適度な刺激で悪くはありませんが、頭の中では悪い刃が出来つつあるでよくないのです。かんな刃を研いだときには地を引くまでは悪化していませんでした。これまでの包丁のハマグリ刃を当てるとこつんとした当たりがほとんど分からないのですが。面的により神経を集中させる平面砥ぎは奥が深い。当たる原因はわかっています。
この二つの砥石のゴミを拡大したのが下の2枚です。
天然砥石のゴミはどんな高価な天然砥石でも避けることができない宿命です。購入時わかるのは表面だけです。中にどんな爆弾が隠れているか神様のみぞ知るでしょうか。ハマグリ刃だけを研いでいた今まではゴミを取る気がしなかったのですが、きちんとした平面研ぎをしようとすれば放置できなくなりました。回転数を自由に変えられるドリルとドリルの刃先を用意します。ステンレスでも穴をあけられる少し高いドリルです。ドリルの刃は砥石を削ればもう使い物にならないのを覚悟しました。
ドリルの刃先はすぐに切れなくなり江戸明治時代の歯医者さんのように小さいタガネでゴミを取りました。木槌を使うと衝撃で砥石が割れるかも知れません。今の給料では手が届かない仕上砥石なのです。手の力だけでタガネを使って慎重にゴミをえぐりだしました。虫歯もドリルでなく歯医者さんの手で取ってくれたらあんなに痛くならないのですが、治療費がかさみます。中でゴミは広がっており穴は大きくなりました。
ゴミを取った後ぺティナイフ感覚の鎌形薄葉を研いでみました。研ぎ汁は以前と同じにでます。しかし除去したあとの穴が大きい。最悪の場合購入した京都の砥石店で5mmほど削ってもらわなくなるかも知れません。そうなればサラリーも薄い上にお気に入りの砥石も薄くなりさびしい限りです。ハマグリ刃と砥面は線で接しています。対して平面刃と砥面は面で接しているのです。デリケートさが違うのです。
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