2013年7月7日日曜日

「このコリコリとした硬さはまさしく癌の触感です」舌の手術痕を指で触診された腫瘍専門医C先生の第一声でした。

昨年2012年8月の下旬ごろでしょうか。舌の手術跡を鏡で見ていると「何だこれは?」独り言をつぶやいた。舌の右側切除部を、舌の下側の口底部分に縫い合わせているのですが、切除部の舌と口底部のところに薄いピンク色の直径数ミリの紙風船かお手玉の袋のようなものが出来ていました。直径数ミリのお手玉の袋のようなものは周囲の色と明らかに違った少し鮮やかな薄いピンク色でした。鮮やかなピンク色の袋のようなものは指で押さえると中に水でも入っているのか存在感がまるでないのです。とても柔らかいしわの入った袋としか云いようがありません。とても柔らかいしわの入った袋の周辺を人差し指で押さえると一か所だけ少し大きい砂粒が入ったようなコリコリを見つけたのです。このコリコリと鮮やかなピンク色の袋のようなもののどちらかか、または両方は、再発癌としか思えませんでした。不安な気持ちを持ったまま2012年9月12日の検診日にC先生の診察を受けました。そして表題のように鮮やかなピンク色の袋のようなものは全く問題ない。残った縫合糸が原因でしょうとことでしたが、砂粒が入ったようなコリコリは再発癌の可能性が高いとのことでした。しかし今すぐ処置しなければならないような緊急性はありませんとのご見解でした。正式な診断はCTスキャンで判明するとのことでした。翌月10月3日に予約が入っている術後半年後のCTスキャンの結果を見て対処すればいいでしょうとのことでした。次の検診日2012年10月3日までの一ヶ月は本当にめげるようなうっとうしい一ヶ月でした。「また手術か。食事がつらいのはいやだな。この再発癌が首のリンパに転移していくのでは」などと悪いことばかりを考える日々でした。CTスキャンの前日、1万円の検査費用をバックに入れた時、口に人差し指を入れました。砂粒が入ったようなコリコリを人差し指の先端で探しましたが、見つけられませんでした。コリコリは消えていました。舌の右側切除部と口底部をいくら探してもコリコリはないのです。鏡で鮮やかなピンク色の袋のようなものを探しましたがこれも消滅していました。
 CTスキャン後C先生に面会すると、触診では砂粒が入ったようなコリコリは、確かに消えていますとのことでした。C先生はCTスキャンの結果の画像を息を止めてみて下さいました。随分長い時間が経過したような気がしましたが、大きい声で「ない。異常なし」を宣言しました。この病院では光ケーブルを使ってPETの結果やCTスキャンの結果を撮影後すぐに主治医が見れるようになっています。命拾いをしましたが、私は自分も感じC先生も感じた砂粒が入ったようなコリコリはまさしく再発癌だったのでしょう。しかし癌に抵抗力を持った私の免疫が再発癌を駆除したと考えたいのです。今もつらいのですがあんな辛い目をして禁煙したのですから。タバコによる一酸化炭素は私の赤血球にはもうありません。赤血球は癌に戦いを挑めるだけのじゅうぶんな酸素を運んでいるはずです。そんなわけで術後1年後の今年2013年4月のCTスキャンの結果も問題なしでした。そして毎月1回の診察は来月も予約が入っています。

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